2014/02/08

ミニチュア靴 のパーツ裁断。― 型入れから裁断まで。

4足分が裁断(正裁ち)まで終わったところです。ドール用とはいえ、革の裏地をほとんどの靴に付けているので、その分パーツも多いですね。

裁断と言っても、ただパーツ毎に切り分けるだけではなく、もっと細かく言えば次の工程を踏んでいます。
(1)型入れ(2)粗裁(3)材厚調整(4)正裁(本裁)
今回はそれら作業工程のお話です。

(1)型入れ

型入れとは型紙を入れること。イメージとしては、広げた革材料の上に型紙を入れる(並べる)ことです。
と言っても、革の端から適当に型紙を並べればよいという訳ではありません。

革は布と違って部位によって物性が異なるので、その辺を見極めながら場所を選択していきます。

例えば人間も同じですが、お腹側の皮膚は柔らかく良く伸び、背中側はあまり伸びません。また、同じ場所でも向きによって伸び方は異なります。他の動物も大体同じなので、まずそこは押さえておきます。

靴のパーツにも求められる性能があって、例えば靴の履き口にあたる部分などは、あまり伸びて欲しくありません。
なのでその場合は、お腹側の部位は避け、背中側の伸びない部位を選択します。更に、向きも伸びない方向で型紙を合わせることになります。

型入れは出来るだけ無駄のないように場所取りするのは当然ですが、それ以外にも考慮すべき点があるということですね。

正直な所、ミニチュアにそこまでやる必要があるかと問われると、絶対に必要だとは言い切れませんが、知っているのにやらないのは手抜きなので、最低でも繊維の向き(伸びの方向)を合わせることくらいは必ずやっています。

(2)粗裁

荒裁ちは洋裁用語でもあるので分かると思います。
読んで字の如く、型紙よりも僅かに大きく、大雑把に裁断することです。
正裁をより正確にするための準備とも言えるでしょう。

(3)材厚調整

材厚の調整は一番最初にやることもあります。
こちらも読んで字の如く、材料の厚味を調整する作業です。
つまり、厚いものは漉いて薄く。薄いものは芯材で補強。
漉く(すく)とは革をスライスするように均一に薄く切ることです。 予め必要な厚みの革を買ってくれば必要のない作業でもあります。

ミニチュア靴の材厚なら裏地と合わせて1ミリ位が適当かなぁ?それ以上厚いと作業しずらいし、薄いと強度が心配です。
靴の大きさや、革それぞれの固い柔らかいも関係するので、個別の判断は必要です。

(4)正裁(本裁)

型紙通り寸分狂いなく裁断します。 折り込みシロ、貼りシロなども当然加わった大きさです。
正裁ちと同時に銀ペンで各所に当たりも印しておきます。 ハトメ穴の位置や貼り合わせの位置などですね。 銀ペンは洋裁で言うチャコのような役目です。

この後いよいよ具体的な組み立て作業に入って行きますが、今日の所はここまで!
以上、型入れから裁断まででした!
軽く書きはじめたのに長くなってしまった(;^ω^A
ではまた。

▼以下オマケ
革って引っ張ると傷が浮き出てくることがたまにあります。靴はどうしても革を引っ張って成形するので、そういう箇所が爪先とかに来るとアウト。なので型入れの際は革を引っ張ったり撫でたりで、結構触りまくります。
そうすると何が起こるかというと、手の水分が革に持っていかれてパサパサになってしまいます。

手が荒れると指先の感覚が鈍るので、手荒れ対策は不可欠。特に冬場はハンドクリームの消費量が半端なくなります。
何が言いたいのかというと、amazonでドドーンと大きなサイズを見つけました!

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僕はユースキンを愛用しているのですが、クリームでプッシュ式があるのは初めて知りました。 しかも大容量o(^ー^)o
次からはコレ使おうと、少々テンション上がってます。
これで手の潤いを保ちつつ、制作に励みたいと思いますよ!
おわり。

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