2014/02/14

革を折り込む。― 刻み、菊寄せ、ヘリ返し。

裁断漉き→貼り と進んだので、今回は折り込みです。レザークラフト的にはヘリ返しといいますが、靴作りでは折り込みと呼びます。何故でしょうねぇ?
それはさておき、折り込みの前にゴム糊で仮止めしてあったパーツにミシンを掛けました。端から1ミリ位の所を落っこちないように息を止めて。(笑)
一旦ミシンをかけると針穴が開いてしまうので、革の縫製は縫い直しが出来ません。なので失敗しないよう慎重に、ゆっくりと、崖っぷちを歩くように…。
さて、折り込みです。
準備としては折り漉きをしておきます。折り込んだ時にその革の材厚と同じになるように厚味の調整です。その後ゴム糊を塗って、刻み(後述)を入れて準備完了!
折り込む部分は直線だけではなく、靴の場合はむしろ圧倒的に曲線です。なので端をただ折り返せば良いという訳にはいかず、それぞれに見合った方法で折り返します。

山カーブは菊寄せといって、折り込みシロを均一に寄せるように折り込みます。

谷カーブはそのままでは折り込めないので、適当な間隔で折り込みシロに刻みを入れてから折り込みます。刻みは深く入れ過ぎると、折り込んだ後に表から刻みが見えてしまうので要注意。
折り込み作業は手の大きい僕にとっては思いのほか難所です。
パーツ自体が小さく、折り込みシロも4、5ミリしかないので、も~嫌っ!とブン投げたくなることもしばしば(笑)。でも心を落ち着かせて頑張りました。

折り込みの効用は、裁断面が(隠れて)綺麗に見えることの他、折り込みによって銀面(革の表側の面)が二重になるので、強度が上がって伸びにくくなるという点です。

裁断面を綺麗に見せるだけならば、レザークラフト的にフノリやコバ処理剤を塗って磨くだけでも用は済みます。

しかしドール靴とはいえ、脱いだり履いたりを繰り返せば、履き口にそれなりの負担はかかるので、耐久性まで考えておくことは大切だと僕は思っています。

作り手としては、やっぱりいつまでも綺麗なままであって欲しいですから、その意味でも折り込みは僕にとって欠かせない作業なんですね。

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