2011/10/28

ドールシューズ 作りの 小技 ― ヘリ返しと革漉(す)き。

パーツ毎に裁断した革の、端を一定幅で折り返します。 布帛と違い、革は切りっ放しのまま使っても、多少の繊維の乱れはあっても、端から解れてくることはありません。なので端の始末をせずに使うことも多いのですが、特にレディース向けのように、繊細さ、美しさ、高級感などが求められるような場合には、切りっ放しのままだと少々雑な感じが否めません。また、例えば革の厚味が1ミリあったとしたら、その断面も1ミリあって、小さいドールシューズに対しての1ミリは、結構な厚味となり目立ってしまいます。≫参考図
僕はそういうところが気になって仕方ないので、(←性格) 革の裁断面は可能な限り見せないよう一定幅で折り返すことにしています。

この折り返す作業をレザークラフト的には「ヘリ返し」 といいますが、何もせずにそのまま折り返せば、当然そこだけ厚みが増してしまい、これまた雑な仕上げになってしまいます。
なのであらかじめ、折り返す部分はスライスするように薄くしておいて、折り返した時に革一枚分の厚味になるように調整しておきます。 革を薄くするこの作業を「革漉(す)き」 と言い、一定の幅、一定の厚味になるように調整しなければなりません。厚いところと薄いところが混在していたら、へり返した後に凸凹になるのは想像に易いでしょう。多少の凸凹位と思っても、やっぱり小さなドールシューズ。結構目立ってしまいます。 いずれにしても見えなくなる部分。そういうところこそ丁寧な作業が必要ですね。

とはいえ、切りっ放しの方が似合う時もあります。その場合は切り口が目立たないように染料を入れます。 また、切り口がモケモケと毛羽立つ時は、糊で固めるなどの処理を施します。いずれの方法も、綺麗に見せるための工夫ですね。
作業詳細は僕の休眠ブログにも載っています。
≫「靴の道具と使い方1:革の裁断と漉き」

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