2010/08/07

SD 幼サイズ の サンダル制作。(3)人形用 靴底 後編

さて、先回までの作業で、靴の上半身(アッパー)と、下半身(靴底)の成形までは完了しました。
今回はその靴底を見栄え良く整えて、ドール用サンダル(靴)、靴底の作り方は完結します。
作業の手順を簡単に言うと、ツルツルになるまで磨いて下地を整える→染料で色付け→艶出し。です。

(1)下地作り。 タンニン鞣し(なめし)の革(ヌメ革など)は、裁断面に水をつけながら磨くと、段々とツルツルになっていきます。何故そうなるのかは割愛しますが、その性質を利用して裁断面を綺麗に整えます。 (画像右:ドライでサンドペーパー#240番仕上げ/左:水をつけて磨いた後) ちなみに、次工程で染料を使わずに、このままナチュラル色で仕上げる場合は、水ではなくフノリや、専用のコバ(裁断面)処理剤(例えばトコノール無色)を使って磨きます。

(2)色付け。 色を入れてからの形の修正は出来ないので、(最初からやり直しになるので)この段階では靴底の形状は99%仕上げておきます。 水溶性の染料を使う場合は、染め斑防止のために先に水を塗っておくと良いです。その後染料で染付をします。 革を染めるための染料は、専用のものが何種類かありますが、今回は「早染インキ」+「コバインキ」(コロンブス社)を使用しました。「早染インキ」は着色。「コバインキ」は艶出し。他にも安価な染料がありますが、ドールシューズは耐候性を考慮する必要があまりないので、それらでも十分だと思います。
(2010/10/18追記)質問をいただきました。
Q:革の着色に靴墨は使えますか?
A:期待は出来ません。ごく簡単に言ってしまえば、靴墨は革の表面に色が乗っているだけで、擦ると色落ちしてしまいます。洋服や人形本体を汚す可能性もありますので、ドールシューズには不向きです。
染料の代わりになるものとして、万年筆のインクや墨汁等がありますが、染料を買っちゃった方が早いと思いますよ。
【参考】

・・・・・(追記終わり)

(3)鏝(コテ)をかける。 ここの工程はプロ仕様(^^ゞ 仕上げのアイロン掛けだと思って下さい。 コバワックスという専用の蝋があります。それを熱した鏝を使って裁断面に浸み込ませます。 熱と蝋によって、革は固くなり強度が上がります。これもドールシューズには必要ない強度ですが、見栄えはだいぶ違うので、お化粧のつもりで処置しておきます。

(4)靴底完成。 この後、側面についた余分な蝋を、ツルツルピカピカになるまで磨き落として、靴底は完成です。 先に制作したサンダルの上半身(アッパー)と圧着して、サンダルも完成となります。
主要な事柄のみを、だいぶ駆け足で説明してまいりました。 細かな部分については説明を割愛した工程もありますが、それでも自作派の方々にとっては、制作上のヒント位には成れたのではないかと思いますし、そう成れたのなら幸いです。3編に渡りお付き合い有難うございました。
とてもじゃないけど自作は無理!(>_<) という方へは僕が代わりに作っていますので、↓コチラをどうぞ!お陰様で沢山のご注文を頂きました\(^_^)/15日閉店ですので、どうぞよろしく!

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