* 靴の種類:ロングブーツ
* 主要素材:山羊革/牛革
* 靴の概寸:約65mm
* 対象人形:DOLLCHATEAU(ドールシャトー)
* その他:特注靴
基本デザインご依頼者様持ち込み(イラスト)/全体的に細身で、つま先もシャープな形状/希望色:黒
尖ったつま先がリクエスト。
迫力を若干加味したワイドアンドローのフォルムをご提案。
甲からつま先にかけ、一旦緩やかに膨らみを持たせ、そのままスッと絞り込んだフォルムは、俗に言う「ベクテーグル(鷲のくちばし)トゥ」を、ほんの少し意識した。
細身ではあるけれど、しかし豊かなボディラインも併せ持つ。
そんなスタイルが、静かでカッコ良くないですかねぇ?
ウエスト(土踏まず)の両脇をギュッと絞り込み、盛り上がった中心部とのコントラストが何ともセクシー。
そんなメリハリを強調したボディコンスタイルに加え、真っ黒に革を染め、更に磨き上げた「カラス仕上げ」の靴底面 が、抜群の存在感を主張。
あまり目に付くところではないが、だからこそのチラリズム。
ミステリアスなドールの印象にも通じるところだ。
もう誰かが履いていて、今にも歩き出しそうな眺め。
ご依頼者様の意向により、4連のバックルを配した後ろ姿が、特徴的で魅力的。
金具はダミーではなく実用なので、脚周りのサイズ調整も容易。
素足でも、パンツインでも、いつでもジャストフィットで着用可能。
専用設計だからこそのフィット感は、物理的な足の大きさのみならず、ドールの雰囲気にもそのまま寄り添います。
ところで余談ですが、ロングブーツなのに素のままで立つってスゴくない?\(*^▽^*)/
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▼制作後記▼
今回の対象ドールは、それはそれは細い脚の持ち主でした。
靴選びも苦労するだろうと、ひと目見て分かるくらいの細い脚。
なのである意味、もっともオーダーメイドを必要とする人形だったのかもしれません。
しかし、だからといって、その細い脚そのままに、サイズだけを合わせて靴を作ることはしません。
もしそうしてしまったら、単にひょろっとした、ひ弱なブーツが出来上がるだけ。
そんなものを、わざわざオーダーで作っても、誰からも喜ばれることはないでしょう。
オーダーメイドのドール靴は、ただ物理的に足の大きさに合わせて作るだけではなく、時にはそれを無視してでも、人形の持つ雰囲気、つまり、その人形に込められた作者の表現に、ジャストフィットするよう作ることが何よりも大事。
その為には人形をよく観察し、その作者は何をどう表現したかったのかを良く考えること。
また別の視点では、そのドールオーナー様が見ている世界観は何かを、感じ取ることも必要です。
そして、それらに寄り添った靴を如何に作るのか。
それこそが靴製作者に期待されることであり、ドール靴のオーダーメイドなんだと思っています。
人形靴は、サイズが合っているかどうかなんて、二の次、三の次で良いのです。
最終的には、どうせ合うのだから。
さて、偉そうに(笑)また一段ハードルを上げた所で、作業は次のオーダーへと進みます。
たくさんの方にお待ちいただいており恐縮ですが、一歩づつ進めておりますゆえ、今暫くお時間を。
m(_ _;)m おわり。
▼お客様レポ(ツイッター編)▼
▼おまけ▼れん@RENSROOM様に依頼していたオーダーメイドのDC用の靴が届きました! すげー良いっよ!すげー良いっすよ!! 自立の安定も良くなったよー!! 今部屋が足の踏み場が無くて遠目からの立ち姿が撮れないのが悲しい(´;ω;`) 靴に合わせて服ももっと力入れて作る…! pic.twitter.com/ZbSXVanYTT— Qu-bo(くぼ) (@utsunashi) 2017年3月31日
特注品の場合は、靴木型が出来上がった時点で、ご依頼主様へフォルムの確認をしていただきます。
「理想的な形です。」
なんとも嬉しいお言葉をいただいて、おだてではありませんが、どんどん木に登ってしまいました。(笑)