2016/01/13

「ジョッパーブーツをカッコ良く、ウチのDDに履かせたい!」 そんなご依頼にお応えしました。― ドルフィードリーム® 向け ドール靴 オーダーメイド。

* 靴の意匠:
* 靴の種類:ジョッパーブーツ レディース
* 主要素材:牛革
* 靴の概寸:約73mm
* 対象人形:ドルフィードリーム®
* その他:ヒール高め/出し縫いあり/

比較対象物はないけれど、人形用の小さな靴です。
リクエストはカッコ良さ。
端整という言葉が良く似合う、そんな靴に仕上がりました。
クールな印象は、ドルフィードリーム®(以下DD)のイメージともぴったりで、リクエストにもお応えすることが出来たと思います。
人の足元を見てはいけませんが、ドールの足元はじっくり見てやってくださいませ(笑)

ヒールの形状は、靴に女性らしさを求める時の重要なポイント。
踵が収まるヒールカップの丸味と、綺麗に調和することが大事。
どの角度から見ても、自然とラインが繋がる形に、ヌメ革を積み上げた革の塊を、削り出すことでヒールを作ります。

金具探しがひと苦労なのは、ミニチュア制作の常。
自分で作るとコストが嵩むので、なるべく市販品で済ませたいところ。
しかし無い時は本当に無いので、そんな時は工夫で乗り切る。
今回はベルト幅が5ミリの極小美錠。
市販品を改造して使いました。
参考≫美錠の改造。

靴底の上に見えるステッチを出し縫いという。
写真ではわからないけど、端から1ミリの所を縫っている。
端から1ミリとなると、革とはいえ通常の縫い方では流石に強度がない。縫い穴を開けただけでも千切れてしまうこともあるので、ここは手縫いでしか出来ない芸当で乗り切った。
上から下へ針を通す際に、真下へではなく、内側へ向かって針を通す。斜めに針が入るので、上側は端から1ミリだけど、下側はもう少し距離が稼げるという魂胆だ。手仕事のなせる技。( ̄^ ̄)ドヤッ

この靴の画像をもっと見る。≫



▼制作後記▼
できるだけ細かいディテールも、そのまま再現するよう努めている。
しかし、あまりに小さくて、やっぱり無理かと弱気になることも、未だによくあることだ。

だから諦めるのか、それでもやってみるのか。
後者を選ぶと自ずと次は、どうやったら出来るのかを勝手に考え始める。

実のところ結構苦戦したけれど、ひとつ挑戦して、クリアして、またひとつ挑戦する。
そういうものを確実に積み上げていった結果、納得のできる靴が完成した。

自信を持って送り出せる靴。
もうコレ以上は出来ませんと、胸を張って言える自信。

そんなことを作った本人がゴチャゴチャ言ったところで、あまり意味はない(汗)
依頼者がどう感じたのかが、すべての評価。
なので、ご感想を待つことにします。
おわり。

▼追記(2017/10/1)▼

お客様フォト

着用写真をいただきました。
同時にご注文いただいた、レースアップブーツと共にツーショット!
(photo by @spgd_minai)
ドラッド感のあるジョッパーブーツと、アクティブでカジュアルなレースアップブーツ。
それぞれの特徴にマッチしたコーディネートが非常に素晴らしく、僕の作った靴も3割増しくらいでよく見えます(笑)

こうして写真など見ていると、ふと自分のやっていることも、少しは誰かのお役に立てているんだと、改めて確認することが出来ます。
沢山の人には無理だけど、せめてご縁のあった方のためには、全力を捧げてこれからも靴作りをしていきたい。 そんなふうに思うのでした。
ありがとうございました。

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